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社員がエンジニア研修やプログラミング研修についていけない原因を解説|社員の脱落を防ぐ解決方法

エンジニア研修やプログラミング研修でついていけない社員を出さないためには、適切な研修設計と支援体制が不可欠です。


本記事では、研修につまずきやすい理由と対策、特にチーム学習を活用した効果的なアプローチを解説します。


  1. エンジニア研修についていけない社員の実態

研修についていけない社員の心理状態

エンジニア研修についていけない社員は、「焦り」と「孤独感」を同時に抱えることが多いです。


周囲との理解度の差を感じ、自己効力感が低下していきます。特にプログラミングのような積み上げ型の学習では、一度躓くと差が広がる悪循環に陥りがちです。質問することで無能だと思われる恐れから問題を抱え込み、次第に「どうせ自分には無理だ」というあきらめの気持ちにつながることがあります。


こうした心理状態を早期に察知し、適切なサポートを提供することが重要です。


よくある症状とサイン

研修についていけない社員からは特徴的な兆候が見られます。


質問の減少や「大丈夫です」という曖昧な回答が増え、実習での成果物完成が遅れる傾向があります。休憩時間の孤立、集中力低下、スマートフォンを頻繁に確認するなどの逃避行動も増加します。また、遅刻や早退、欠席の増加、課題提出の遅れなども警戒すべきサインです。


研修担当者はこれらの変化に敏感になり、早期に個別対応を検討すべきでしょう。問題を放置すると、さらなるモチベーション低下や離脱につながる可能性があります。


文系・未経験者がつまずきやすいポイント

文系出身や未経験者がつまずきやすいのは、抽象的な概念理解(変数、関数、オブジェクト指向など)の難しさです。


論理的思考に慣れていないため、「なぜそうなるのか」の理解に苦労することがあります。また、エラーメッセージの解読やデバッグの系統的アプローチができず、問題解決の糸口を見つけられない場合も多いです。IT業界特有の専門用語や技術環境への不慣れさも大きな障壁となります。


これらの困難に対しては、基礎概念の丁寧な説明と実践的なハンズオン機会を増やすことが効果的です。


  1. エンジニア研修についていけなくなる4つの原因

研修内容が難しすぎる・前提知識とのギャップがある

多くのエンジニア研修で失敗する要因は、受講者の実際の知識レベルと研修内容のギャップです。


研修設計者が「基礎的」と考える内容でも、未経験者にとっては高度すぎることがあります。例えば「HTMLの基本」でも、ファイルパスやDOM概念などの前提知識が暗黙的に求められることがあります。また経験豊富な講師だからこそ、初心者視点での説明が難しいことも。


研修前のレベルチェックや事前アンケートで受講者の知識レベルを把握し、必要な前提知識を補うための資料提供が重要です。


フィードバック不足と質問のしにくさ

適切なフィードバックの不足と質問のしにくさは学習の大きな障壁です。


講師対受講者の比率が高い環境では個別サポートが困難になります。また「分かっていないと思われたくない」「進行を妨げたくない」という心理から質問をためらうケースも多く、大人数の前での質問はさらにハードルが高まります。結果として「わかったふり」をしながら置いていかれる状況が生まれます。


これを改善するには、少人数グループでの質問時間設定、匿名質問ツールの活用、チャットでの質問受付など、多様な質問チャネルを用意することが効果的です。


研修期間・進行速度の問題

多くの研修では限られた期間内に大量の内容を詰め込みがちで、理解よりも進度が優先されてしまいます。これは「カリキュラムをすべてカバーすること」が成功指標とされることが多いためです。


しかし速すぎる進行は理解不足や消化不良を招き、特にプログラミングのような積み上げ型学習では、初期段階での理解不足が後の学習全体に影響します。また進行速度の速さから質問する余裕もなくなり、自力での問題解決を強いられることも問題です。


研修設計では「何を教えるか」だけでなく「何を確実に理解させるか」という視点が重要です。


個人の学習スタイルとのミスマッチ

人それぞれの学習スタイルを考慮しない画一的な研修は、多くの受講者が取り残される原因になります。


視覚学習者は図表から効果的に学ぶ一方、聴覚学習者はディスカッションで理解を深め、実践型学習者はハンズオンで学ぶ傾向がありますが、多くの研修はプレゼンテーションと講義形式に偏重しています。


また、独学が得意な人もいれば協働学習で成長する人もおり、学習ペースも個人差があります。「平均的な受講者」想定の画一的アプローチでは、多くの学習者にストレスを与えかねません。効果的な研修には多様な学習アプローチを組み込む柔軟性が必要です。


  1. 研修担当者ができる具体的な対策

事前準備:レベル別クラス編成の実施方法

効果的な研修のためには、事前のレベル分けが重要です。


実務で必要とされる基本スキルを測定するテストを実施し、「基礎」「中級」「応用」などのレベル別クラスを編成します。その際、単なる知識だけでなく問題解決能力も評価するテスト設計が望ましいでしょう。


ただし、レベル分けによる心理的影響に配慮し、「遅れている」という劣等感を生まないよう「異なる焦点を持つコース」として位置づけることが大切です。定期的な再評価機会も設け、上位レベルへの移動を柔軟に行える仕組みを整えましょう。各レベルに合わせた明確な学習目標設定も効果的です。


研修中のサポート強化:質問しやすい環境づくり

質問しやすい環境は研修成功の鍵です。まずは、「質問は学習意欲の表れで歓迎すべきもの」という文化を明確に伝えましょう


その上で、少人数グループでの質問時間設定、一対一で質問できる機会の増加、チャットツールを活用した質問チャネルの設置など複数のアプローチが効果的です。先輩社員などをサポートメンターとして配置することも検討してもいいでしょう。


「わからないことがわからない」状態の受講者向けには、よくある質問リストの提供や定期的な進捗確認が有効です。質問への回答では単に解決策を示すだけでなく思考プロセスを説明し、似た問題に自力で対応できる力を育てることが重要です。


カリキュラム設計の工夫:スモールステップの実践

効果的な研修では、大きな概念や技術を小さな学習単位に分割する「スモールステップ」アプローチが有効です。各ステップは前の知識を土台として積み上げ、1つの概念を確実に理解してから次へ進む形式を採用します。1日単位でカリキュラムを区切り、各日の学習目標を明確にしましょう。新概念導入時はその実用的意義を先に説明し、「なぜ学ぶのか」の文脈を提供することでモチベーションを高めます。


理論学習と実践演習をバランスよく配置し、理解度を確認するチェックポイントを頻繁に設けることで、つまずきを早期発見できる仕組みを構築しましょう。


少人数のチーム学習を取り入れた研修設計

チーム学習は、個人学習における時間確保の難しさ、適切な学習方法の不明確さ、モチベーション維持の困難さという課題に効果的です。


4-5名程度の少人数グループで学習を進めることで、相互サポートや教え合いの文化が生まれます。日々の学習進捗を共有し、互いにフィードバックすることで「自分だけが理解できていない」という孤独感が軽減されます。また、教えることで自身の理解も深まるという効果もあります。チーム内での役割分担や定期的な振り返りセッションを設け、全員が参加できる環境を整えることが重要です。


チーム学習は、個人学習と比較してモチベーション維持や継続率が大幅に向上する傾向があります。


  1. 研修後のフォローアップと継続学習の仕組み

復習機会の確保

研修内容を定着させるには、計画的な復習機会の確保が不可欠です。


研修直後だけでなく、1週間後、1ヶ月後と間隔を空けた復習セッションを設けることで、長期記憶への定着を促します。具体的には、研修で学んだ内容を実務に近い形で応用する小規模プロジェクトの実施や、重要概念をまとめたクイズ形式の復習教材の提供が効果的です。


また、研修内容をデジタルアーカイブ化し、いつでも参照できる環境を整えることも重要です。復習は単なる繰り返しではなく、異なる視点や応用場面での確認を含めることで、より深い理解につながります。


理解度に応じたフォローアップ

研修後の受講者の理解度には個人差があるため、きめ細かなフォローアップが重要です。


理解度チェックテストを実施し、結果に応じて個別サポートプランを提供します。基礎的な概念理解に苦戦している受講者には、より丁寧な説明と追加演習の機会を設け、応用力を高めたい受講者には発展的な課題を提供するなど、レベルに合わせた対応が効果的です。


また、定期的な1on1面談を通じて個別の課題や不安を把握し、適切な追加リソースを紹介することも大切です。フォローアップは強制ではなく自発的な参加を促す形で設計し、学習意欲を尊重する姿勢が重要です。


継続学習のためのリソース提供

研修後の学習継続をサポートするため、多様なリソース提供が効果的です。


オンライン学習プラットフォームのアカウント提供、技術書籍の貸出制度、社内技術ライブラリの整備などが基本となります。


また、実践的なハンズオン形式のワークショップを定期開催したり、技術勉強会やコードレビュー会などのコミュニティ活動を促進することも有効です。

さらに、学習の進捗や成果を可視化するツールを導入し、自己成長を実感できる仕組みを整えることで、継続的な学習意欲を維持できます。


リソースは単に提供するだけでなく、個々の目標に合わせた活用方法のアドバイスも併せて行うことが重要です。


組織的な学習サイクルの構築

持続的なスキル向上のためには、個人の努力だけでなく組織的な学習サイクルの構築が重要です。

まず、定期的なスキル評価と成長計画の策定を制度化し、各自の学習目標を明確にします。次に、実務プロジェクトと学習機会を連動させ、学んだことを実践する場を確保します。さらに、メンターシップ制度を整え、経験者が初学者を支援する文化を育てることも効果的です。


また、学習成果を評価制度に組み込み、スキル向上に対する適切な評価とインセンティブを提供することで、継続的な学習意欲を促します。こうした組織的な取り組みにより、個人のスキルアップが会社全体の成長につながる好循環を生み出すことができます。


  1. CREW式チーム学習によるプログラミング研修の成功事例

これまで見てきたように、チーム学習は研修についていけない社員を支援する効果的なアプローチです。

この手法を体系化し、実践的なプラットフォームとして提供しているのがチーム学習支援サービス「CREW」です。CREWは「受講生4-5名+コーチ1名でチームを組み、全員目標達成を目指す学習方法」を実践しています。


特に「質問のしにくさ」というエンジニア研修の大きな課題に対し、専属コーチがチームに常駐することで質問のハードルを下げ、きめ細かなサポートを実現しています。従来のe-Learningとは異なり、チームの規律と競争意識、そして専門的なガイダンスの組み合わせで学習効果を最大化します。

ここではCREW式チーム学習を活用した実際の成功事例から、その効果を検証します。


チーム学習の特徴とメリット

チーム学習の核心は「一人でなく、みんなで学ぶ」という点にあります。


このアプローチでは、4-5名の受講者が一つのチームを形成し、共通の学習目標に向かって協力します。従来の個人学習では解決しにくい「時間確保の難しさ」「適切な学習方法の不明確さ」「モチベーション維持の困難さ」という課題に対応できるのが強みです。


チーム内での日々の学習報告とフィードバックにより規律が生まれ、わからない点を互いに教え合うことで理解が深まります。また、チームの達成感や競争意識が学習意欲を高め、孤独感も軽減されます。

「チームの誰一人取り残さない」という共通意識が、学習の継続率と修了率を大幅に向上させる効果があります。


CREWの実績

CREW方式の研修では、従来のeラーニングの修了率約7.5%※1に対し、修了率100%を実現※2しています。またG検定対策コースでは、平均合格率65%に対して100%の合格率を達成しました。※3


この成功の背景には、チーム学習による規律・競争意識の醸成、1日単位の細分化されたカリキュラム、専属コーチによる日々のサポートがあります。IT未経験者や文系出身者も含め、バックグラウンドに関わらず高い成果を上げられることが示されています。


適切な学習環境設計とサポート体制の重要性を示す好例といえるでしょう。

※1 参照:グローバル MOOC における修了率と動画再生ログの分析https://www.waseda.jp/inst/ches/assets/uploads/2017/12/GlobalMOOC.pdf

※2 後述の株式会社日立アカデミー様の事例を引用

※3 株式会社日立アカデミー様の事例を引用:累計25名受講し、合格率100%を達成



CREWのエンジニア研修プログラム

CREWは幅広いエンジニア研修プログラムを提供しています。

特に新卒・若手エンジニア向けのプログラミング研修では、フルスタックエンジニア育成コースやAWS研修など実践的なスキル習得に焦点を当てています。またDX人材育成として、G検定やDS検定などAI・データサイエンス関連の資格取得支援も行っています。


経験豊富なコーチによる日々のフィードバック、生成AIを活用した学習サポート、チーム内での問題解決など、複合的なアプローチで受講者の成長をサポート。特に「ついていけない」受講者の早期発見と個別支援を重視した研修設計が特徴です。


5-4. 事例紹介:日立アカデミー様での新卒エンジニア研修

日立アカデミー様では新卒や若手を対象に、チーム学習方式を採用したプログラミング研修を実施しました。

結果として費用を1/5程度に抑えつつ、修了率は100%を達成

従来の「高サポート・高単価」または「低サポート・低単価」という二極化した研修から脱却し、適切なコストで高品質な研修を実現しました。


参加者は毎日の学習内容をSlackで報告し互いにフィードバックを行うことで、技術知識だけでなくコミュニケーション能力も向上。技術習得と社会人基礎スキル向上を同時に実現する効果的なアプローチとして評価されています。


管理者の声

CREWはこれまでの高い合格率ノウハウを元にカリキュラムの設計から支援していただけるので、お客様に満足いただけるご提案ができるのも強みだと思います

まとめ:すべての社員がついていける研修設計のために

エンジニア研修の目的は「実務で活躍できる人材育成」であり、カリキュラムの網羅性より受講者の確実な理解を優先すべきです。


また、研修は一度完成して終わりではなく、受講者フィードバックや実務適用状況を分析し、継続的に改善していくことが大切です。


つまずきやすいポイントへの対策強化や最新技術トレンドの反映など、常に最適化を図ることで、すべての社員が成長できる研修環境を実現できます。


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